ずっと楽しみにしていた荻上直子監督の新作、
「彼らが本気で編むときは、」を見てきた。
いろいろと考えすぎて訳が分からなくなっちゃったけど、
それほどに心を揺さぶられる映画だった。
LGBTという言葉がメディアで取り上げられるようになり、
それが例え好奇的なコンテンツとしての扱いでも、
人権意識が後進的である日本においては前進だと思う。
ボクは世間の言うLGBT当事者であるわけですが、
やはり生きづらさはずっと感じていて、
このような映画がマスで配給されることに希望を感じる。
少しずつでも苦しい思いが緩和される社会になればいいな。
一方でマイノリティで弱い立場だからといって、
マジョリティに属する人に対して鈍感になっていいわけではない。
普通に恋愛していても、結婚していても、子どもがいても、
それぞれに何かしら苦しみや悲しみを抱えている可能性はある。
それはゲイであるがゆえに想像できないものであるし、
マジョリティだからマイノリティより楽だというわけでもない。
何かを決めつけるのでなく、想像力を持ち合わせた大人でありたい。
人は弱い生きものだし、自分を守る生きものなので、
時に視野が狭くなって誰かを攻めたくなっちゃうけど、
そういうときはこの映画のことを思い出そうと思った。