ユータロの日記

考えたこと、日々のこと、彼とのこと。

ひとりの有権者として

杉田水脈さんが「新潮45」2018年8月号に寄稿した文をきっかけに

さまざまな批判を受けてますね。

原文を読んだわけではないのだけど、

LGBTは生産性がないので支援する必要なし」

といった主旨の主張だと認識しています。

僕がこの件でずっと考えていたのは、

・政治とは一体何で政治家は何をすることが仕事なのか

・そもそも生産性とは何を指しているのか

ということでした。

 

国民が安心して暮らせるよう対内的・対外的に

国民と領土をより善く統治するのが政治なんだと思います。

 

1億人以上いる日本人みんなが集まって

政治をするわけにはいかないので

間接民主主義に則って、国民の代表として

政治を行ってもらうのが政治家の方の仕事。

 

つまり、みんなに選ばれた国民の代表として

それぞれの国民の良い暮らしに向けて

対内的・対外的に利害の調整をしたり、

資源(税金)の使い方を考えたりするのが政治家の仕事です。

 

そう言う意味でどこに税金を使いどこに使わないか

(ここではLGBTには税金を使わない)という意見を

政治家として申し述べるのには問題ないのですが、

憲法の三原則にも謳われているように

この国は基本的人権を尊重するという前提がある

ということを忘れてはいけないと思います。

例え自分を応援してくれる人たちの思いを実現したいのだとしても

それ以外の人権を軽視したり侮辱したりしていいとは思えません。

政治を通して少数者や弱者を切り捨てていくのであれば

そもそも政治なんてものは必要ないのではないでしょうか。

放っておけば自然と弱肉強食の世界になるのですから。

 

もちろん使える資源(人や税金)には限りがあり、

すべての人が満足する利害を実現するのは難しいので

話し合い調整するために国会があるのだと思います。

LGBTに税金は使わないというのが(彼女自身でなく)誰の意見で

どの問題を解消するために優先順位を下げたいのか

そういったことまで説明する責任があると思います。

感情や偏見で意見を言うことには意識的であるべきです。

 

あとLGBTは生産性がないとはどういうことなのでしょうか?

もともとは経済で使われていた用語だと思うんですが、

この生産性という概念には2つの考え方があるらしく

一定の資源からより多い付加価値を生み出す、のと

一定の価値をより少ない資源で生み出すの2つらしいです。

杉田さんの意見では付加価値=子どもだと言っていますので

同じ数の母親により多くの子どもを産んでもらう、もしくは

より少ない税金・政策で実現したい子どもの数をクリアすること

が彼女の言うところの生産性に繋がるということになるでしょうか。

少子高齢化社会を解消したいという気持ちがあったとして

わざわざLGBTという名指しで攻撃する必要はなかった思います。

 

長くなりましたが、

LGBT’を嫌悪する人がいることは理解していますし、

当事者の中でもいろいろな考えがあっていいと思いますが、

政治を行う人は感情や偏見でモノを言うことにもっと

意識的になるべきだと思いますし、

政治家を選ぶ私達もそういう人に政治をさせないよう

きちんと意見を表明したり政治を監視する必要があると思いました。