ユータロの日記

考えたこと、日々のこと、彼とのこと。

【書評】誰かの人生を圧迫しない

以前読んだ「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」の

著者幡野広志さんの新刊「なんで僕に聞くんだろう。」を読みました。

元猟師で写真家、がんを患っている幡野広志さんの言葉は

まっすぐで正直、ときにそれは残酷でもあります。

今回の著書はcakesでWEB連載されている、

幡野さんの人生相談が一冊の本になったものです。

毎週月曜日に更新されており、僕のささやかな楽しみでもあります。

 

幡野さんのおっしゃることは一貫して綺麗事や嘘がないです。

まっすぐに本音が出てくるので相談者への忖度がありません。

それゆえ人はそれを読んで気持ちがスッキリするのだと思います。

ただ、言いたい放題言うだけではなく根底には優しさがあります。

その人の自由と幸せを願っているような優しさです。

それはきっと幡野さんが自身の人生で

大切にしているコアのようなものだし、

撮られている写真にも表れていると思います。

 

人はさまざまな悩みや不安を抱えて生きているけれど、

それは本人自身の悩みや不安であって、

他人から見ればなぜそんなことで悩むのか、

その不安は贅沢ではないのか、

あまりに身勝手な考えではないのか、と

思ってしまうことがあると思うんです。

でも、人の悩みや不安とはそういうものです。

自分自身が中心だし、自分本意なものです。

自分が肯定されたくて相談するわけです。

しかし一方で、その自分本位が誰かの人生を圧迫している場合があります。

多くは家族や恋人や友達、同僚など近しい関係の人です。

そういう場合、幡野さんは容赦がありません。

おかしいときはおかしいと言ってくれます。

なので僕自身も、最近は心の中に小さい幡野さんを作って、

自分の考えや行動が誰かの人生を圧迫していないか

注意、反省するようになりました。

 

個人的なセクシャリティのことでも、

世間や親の価値観に苦しんできた経緯があるので、

自分の人生を幸せにすることと同時に、

他人の人生を圧迫しないことを

以前にも増して心がけるようになりました。

 

ただの人生相談と回答、という話だけではなく、

自分の人生や価値観を見直すのにも

とても学びの多い一冊でした。

 

ぜひ。

 

Amazonですが参考までに

なんで僕に聞くんだろう。

なんで僕に聞くんだろう。

 

 

◆幡野さんの連載はこちら(過去分は有料ですが更新日は無料で読めます)

 

◆以前の記事はこちら