ユータロの日記

考えたこと、日々のこと、彼とのこと。

【書評】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

転職前の一ヶ月間、休みの日が多いので、本を読んでいます。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)

 

 

以前、読んだ山口さんの著書が面白かったので、選びました。

 

内容を僕の理解に即して要約すると、

日本企業は「サイエンス」と「クラフト」に偏重した経営により停滞しているので、

「アート」を重視した経営に変える必要があるということ。

 「サイエンス」は論理、理性、データ

 「クラフト」 は経験、実績

 「アート」  は直感、感性 を意味する。

この3つの中で最も「アート」は説明しにくく説得力に欠けるため

経営者、経営層が経営における「アート」の重要性を理解し

意識的に取り入れない限りは3つをバランシングすることは難しい。

なぜ「アート」が重要かというと、VUCAの時代と言われる昨今、

過去のデータや実績をこねくり回しても

時代に適応していくのが困難になってきているため、

こういう会社にしていこう、こういう事業をしていこう、

という直感や真善美に即した決断がより重要になってきているから。

正解のない問題について思考表現する「アート」にこそ

これからの時代を生きていくヒントがある。

という感じかな。

 

本の中ではより幅広く「アート」の重要性に関する具体例が記載されていて

僕のふわっとした要約では伝わらない説得力があるので、

ご興味あればぜひ。

 

僕が最近思っていることは、

日本では「ヴィジョン」が不足しているな、と。

データや過去の経験を元に物事を進めることが多く、

トップが「こうします」っていう方法よりも、

現場が「これはどうですか」の中からすくい上げようとする

売上に関しても現場を叱咤激励して目標を達成させる

政治に関しても個別の政策ばかり叫んでいる

SNSでも自分の主張を人に投げつける

個人や組織において、

「こうあるべき」という信念や言動が見えずに、

すべて個別対応でその場の空気に動かされてしまっている。

それが生きづらさや停滞に繋がっているのではないかな。

正解のない目の前の出来事に対して、

個々人が自分の頭で考え、自分の美意識に沿って動く、

そのチカラを育むには「アート」を通して

自分の美意識を磨くということが有効なのだと思います。

美術館に行ったりすることは好きですが、

そういう観点で考えたことはなかったので、

自分の生活にも取り入れられたらなと。