子どものころよく、「人さまに迷惑をかけないように」と躾けられた。
でもその迷惑っていうのは誰かを傷つけたり痛めつけることであって、
「困ったときに助けてもらう」ことは含まない。
そこまでを迷惑として語られることが多いから、
助けを求めることは恥ずかしいこと、ダメなこと、
という刷り込みが出来上がって人は追い詰められ孤立していく。
その結果多様な存在を許しがたい社会になっている。
すると、手を差し伸べる側にも勇気が必要になる。
でも、人が生きていくということは迷惑をかけたりかけられたりすること。
そういうことが人と人とのつながりを作っていく。
人と人のつながりが薄くなったと言われる背景には、
みんなが「迷惑」と呼ばれるものの守備範囲を広げて、
それを避けるようにと育てられてきたことがある。
誰かに助けてもらっていい、迷惑をかけていい(上のような意味で)
そう思えたら生きることは少し楽になるんじゃないかな。
元気なときは誰かを助け、元気でないときは誰かに助けられる。
それが生きていくということなのではないかな。